論文が出版されました【プレスリリースあり】

​2025年2月26日​お知らせ,研究成果

本研究室も参画した国際共同研究プロジェクトの成果がScientific Reports誌（IF = 3.8, 2023年）に掲載されました。光電陰極として利用されるK₂CsSb薄膜へグラフェンをコーティングすることで陰極が酸化から保護され、陰極の性能を表す「量子効率」という値が高い状態を保ったまま放射光による光電子分光測定が可能となりました。これにより成膜時にK原子を過剰に蒸着しておくことで、陰極としての動作時には最大限の量子効率を示すことが実証されました。

本研究室は光電子分光スペクトルの解析を担当いたしました。また、本研究成果はプレスリリースされましたのでこちらもぜひご覧ください。

本研究成果について、下記のメディアで報道されました。

日刊工業新聞「名大など、高耐久光電陰極作製法を開発　元素組成比を均質に制御」
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00741275

OPTRONICS「名大ら，電子銃の高耐久な光電陰極の作製法を確立」
https://optronics-media.com/news/20250226/98026/

論文情報
題目：Improved robustness of sequentially deposited potassium cesium antimonide photocathodes achieved by increasing the potassium content towards theoretical stoichiometry
著者： Lei Guo, Keisuke Shiohara, Hisato Yamaguchi, Gaoxue Wang, Yuki Okabe, Masashi Nakatake, Shoichi Takakura, Masahiro Yamamoto, Shuichi Ogawa, and Yoshifumi Takashima
雑誌：Scientific Reports 15, 2900 (2025)
DOI：10.1038/s41598-025-87603-6